2023/09/23
今日は、若草恵さんのアレンジで、とある女性歌手の方の録音が3曲ありました。基本の編成は、ドラムスに長谷部徹君、ベースに長岡道夫さん、エレキ・ギターに角田順さん、フォーク・ギターに大久保明さん、ピアノに松田真人、ラテン・パーカッションに菅原裕紀さん、杉野裕さんのストリングス・セクション、そしてマニピュレーターに丸尾稔君です。
1曲目は、テンポが66でキーがFマイナーの曲。この曲では基本の編成に、ミュゼット・アコーディオンで横内さんが加わりました。曲調やサウンドは物悲しい雰囲気で、やはり所々で聴こえて来るアコーディオンの寝入りが印象的でした。
2曲目は、テンポGA71でキーがG♯マイナーの曲で、この曲では基本の編成に、田代耕一郎さんのポルトガル・ギターが加わりました。この曲は3連のノリで少しビート感や力強さのある曲。この曲では、勿論田代さんのポルトガル・ギターBAフューチャーされ印象的でした。
3曲目は編成がグッと少なくなり、僕のピアノに大久保さんのフォーク・ギター、そして向江陽子さんのヴァイオリン、そして丸尾君の打ち込みのオケによる録音。実はこの曲のピアノの書き譜が今回の3曲の中では一番難しく、勿論到底初見では弾けないので、録音開始時間の約1時間前にスタジオ入りをした段階から20分位時間を掛けて譜読みをして何とか目処を付けた曲でした。テンポは71でキーはF♯マイナーの曲で、イントロ、歌中、間奏、そしてエンディングと若草さんならではのグッと来るようなピアノのフレーズ、それには16分音符の速い駆け上がりのフレーズや一部トリルもありました。(トリルは結局無しになりましたが)。特に16分音符の割と長い駆け上がりのフレーズともなると、指使いを考えて決めて弾かないと上手く引けないので、指使いを決めて譜面に書き込むなどして対応しました。
そして2曲の録音が無事に終わり、いよいよ3曲の録音となったところで若草さんから「済みません、半音下のキーでやります」との微妙なニュアンスによる声が掛かりました。それで僕は反射的に「(直ぐには)弾けないです!」と答えてしまい、そしてとある女性歌手の方から「ええっ、弾けない?」と声が発せられたのを、僕は聴き逃しませんでした。とある女性歌手の方は、僕が弾くピアノの譜面がどのような内容の書き譜になっているのかは、知る由もありませんからね。勿論これから半音下のFマイナーのキーで譜読みを初めて、それなりに時間を掛ければ出来るのですが、流石に直ぐには対応が出来ないので、勿論若草さんはそれを良く分かっていますが、ここから暫くは半音下のキーによる譜読み、そして練習が始まりました。一番はやはり僕のピアノ、そして陽子さんのヴァイオリンのパートもある程度の準備は必要だったようですが、フォーク・ギターの大久保さんは基本コード弾きなので、それほど難は無いようでした。
そして音合わせ、更には本番の録音が始まり、結局音合わせを含めて3回目位の録音でベーシックはOKテイクが取れて、最後に僕の方で2小節間の部分的なやり直しをさせて貰い、無事に録音が終わりました。いやあ、無事に終わった時には、ホッと安堵の胸を撫で下ろすと言う感じでした。
それから今日は、若草さんが車の渋滞に巻き込まれたような事もあって開始時間が少し遅れたり、とある女性歌手の方の1曲目のキーが直ぐに決まらなかったり、そして最後の曲ではキーの変更があったりして、終わってみれば約30分位押して午後5時30分位の終了と相成りました。
追記:この日の録音では他にも、ピアノのヘッドフォーンへの返りの音がやけに遠くて(小さくて)、リヴァーブ成分しか返って来ていないような音質で、兎に角自分が弾いているピアノの音が聴き取りにくくてやりずらかったのと、1曲目で譜面上でピアノとストリングスのユニゾンのフレーズの修正がありましたが、その箇所のリハーサルマークDの部分に付いて、ピアノで使っているマスターリズム譜上にDと記されている部分が2箇所もあったのです。(これは後になって気が付きました)それで若草さんが修正したかったところは、結局譜面上の後の方に書かれてあるDの部分だったのですが、これはたまたま偶然最初のDと後のDの修正したい箇所が、音符上で似ていた事から、僕は最初に書かれていたDの音符を修正して弾いたのですが、結局後のDの方を修正して欲しかったようで、この修正に関しては3曲目が始まる前に修正をして録り直させて貰いました。では、何故弾いている時には気が付かなかったのか?と言うと、追記の最初に書いたように、ピアノの音が遠くて(小さくて)聞き取りにくかった事で、その音の違いに気が付かなかったと言う事です。それからピアノの音が遠くて聴き取りにくかった点に付いては、3曲目が始まる前にキューボックスのピアノの帰りにチャンネルを4→3チャンネルに変えて貰う事で、問題の解消が成されて弾きやすくなりました。1、2曲目の時点では、ピアノがそれほど聴こえなくても何とか弾けたので、こちらから問題の提起はしませんでした。多分、機材の何かしらの問題があったのではないか?と思いましたが・・・。
色々とあったこの日の録音でした。